今回は、先日ある製造業の現場で見聞きした話を共有します。 AI導入以前の、もっと手前にある話です。
「これ、ずっとやってました」
先日、ある製造業で業務改善の相談を受けました。
担当者が見積書を作る流れを説明してくれました。 コピーして、貼り付けて、また別のところからコピーして、貼り付ける。
本人は淡々と話していました。それが「仕事」だから。
でも、聞いている側は思いました。 この作業に、何の付加価値があるんだろう?
当事者には見えない
毎日やっていると、疑問に思わなくなります。 「そういうものだ」と体が覚えてしまう。
本人に悪気はありません。ただ、見えなくなっている。
別の場面でも似た話がありました。 「どの辺にあるか当たりがつけられる人じゃないと、探せないんです」
何十ページもあるファイルを、最初から順に見ていく。 それが「普通」になっていました。
言葉にした瞬間、「課題」になる
モヤモヤは誰もが持っています。 でも、口に出していない。
「作業」として受け入れている限り、課題にはなりません。 言葉にして初めて「これ、変えられるかも」と思える。
作業の流れを説明してもらう中で、本人も気づくことがあります。 「言われてみれば、なんでこうしてるんだろう」と。
言葉にする「場」
なぜ今まで出てこなかったのか。
日常業務の中で立ち止まる時間がない。 「改善提案」のような形式張った場では、なかなか出てこない。 そもそも、業務を具体的に話す機会がない。
今回は、業務の流れを一つひとつ「説明してもらう」形で進めました。 説明しようとすると、自分でも疑問が湧いてくる。
おわりに
AI導入の第一歩は、ツールを選ぶことではありませんでした。
「これ、ずっとやってました」を言葉にすること。
あなたの現場にも、まだ言葉になっていない「当たり前」があるかもしれません。