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AIの力を引き出すために考えること

Vol.009・2026.04.13 配信

Vol.009 AIの力を引き出すために考えること

今回は、「AIの力を引き出すために、何を考えるべきか」という話を、今週世間を騒がせたニュースから入ってお届けします。

Anthropic「Mythos」が巻き起こした騒ぎ

今週、Anthropic が発表した未公開モデル Mythos が大きな話題になりました。

このモデルは、人間なら膨大な時間がかかる「ソフトウェアの弱点探し」を、自ら考えながら自律的に進め、これまで誰も気づいていなかった未知の欠陥を大量に発見してしまったのです。

意味するところは明確です。同じ力が悪意を持って使われれば、銀行や重要インフラが一瞬で突破されかねない――。この懸念を受けて、米国政府(財務省と連邦準備制度理事会)が主要銀行のトップを緊急招集する事態となり、ブルームバーグ・ロイター・Fortune などの主要メディアが一斉にこのニュースを報じています。

世間の受け止めも、従来のAIニュースとは温度が明らかに違います。「また性能が上がった」ではなく、「AIがついに自ら発見し、動く段階に入った」「規制や運用のあり方を根本から考え直す必要がある」――そんな、驚きと警戒の入り混じった反応が広がっています。

AIはもう「答える道具」ではない。自ら考え、動き、結果を出す存在へ。

「すごいらしい」と「どう使えばいいか分からない」のあいだ

こうしたニュースが続くと、多くの方がこう感じているのではないでしょうか。

「AIの進化がすごいのは、もう十分すぎるほど聞いた。でも、実際に自分の業務で、どう使えばその力を引き出せるのか、正直よく分からない」

――この戸惑いはとても自然なものです。情報は「AIがこれだけ賢くなった」という話ばかりで溢れていて、「じゃあ今日の自分の業務でどう使えばいいのか」という、一番知りたいところが抜け落ちていることが多いからです。

実は、AIの使いこなしには「段階」がある

AIを業務に取り込んでいく道のりには、実は順番があります。

最初の一歩から、本格的に業務へ溶け込ませていく最終形まで、いくつかの踊り場があって、そのたびに考えるべきことも、つまずきやすいポイントも、がらりと変わっていきます。

段階を飛ばしても力は引き出せませんし、自分が今どこにいるかを意識していないと、せっかくのAIの力が空回りしてしまうのです。

いま自分(自社)はどこにいるのか

大切なのは、「いま自分はどの段階にいるか」に気づくことです。

  • 指示の出し方を試行錯誤している段階なのか
  • 自社の情報を読ませたい、と感じ始めた段階なのか
  • AIに業務そのものを任せ始めようとしている段階なのか
  • 組織として安定運用と品質保証が必要な段階なのか

段階を見誤ると、背伸びして空振りするか、保守的すぎて取り残されます。Mythos のようなニュースに心を動かされる今だからこそ、一度立ち止まって「自分の現在地」を確かめることが、次の一歩を決める何よりの近道です。

「段階を意識する」だけでは、まだ判断軸としては足りません。以前お伝えした「使い手」と「作り手」という区別——実は同じ「使い手」「作り手」でも、組織がどの段階にいるかで、求められる深さはまったく変わってきます。プロンプト段階の使い手と、エージェント段階の使い手では、期待される動き方は別物なのです。「段階 × 使い手/作り手」という2軸で、「自分たちはいまどの段階のために、どの役割として、どの深さで動くのか」を言葉にできると、情報・人・予算の焦点が定まります。

【新コンテンツ予告】奥田のAI活用環境を発信します

もう一つお知らせです。近日中に、新しいコンテンツを公開する準備を進めています。私(奥田)自身が普段どのようにAIを使い、どんなツール・環境で業務に取り組んでいるのかを、そのまま発信していく企画です。

Vol.007・Vol.008 でお話しした「人のAIの使い方を見ることが、活用力を上げる最短ルート」の延長線上の取り組みです。「使える側の知識」だけでなく、「実際に使っている現場の手触り」を共有できればと考えています。公開の際は、またこちらのメルマガでご案内します。どうぞご期待ください。

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